2016
21
Jul

1 基本の「き」1.2 お手入れ方法

そんな場所に飾るからすぐ枯れる①

夏のうだるような暑さの日と爽やかな風の吹く5月のある日、あなたはどちらのほうが気持ちよく元気に過ごせますか。多くの人が5月の爽やかな一日と答えるのではないでしょうか。

 

花も同じです。適した環境に置けば長持ちしますし、不快な環境では早くに枯れてしまいます。ただし、人間が心地よいと感じる環境と花が快適に過ごせる環境は一致しないこと場合もあります。例えば、真冬でも花屋さんは暖房が効いていません。多くの花にとっては人間が快適と感じるより低い温度のほうが過ごしやすいのです。

 

良かれと思って飾っていたその場所、実は花の寿命を縮めているかもしれません。

 

花を飾るのに適さない場所

  1. 高温になる場所、乾燥する場所
  2. 直射日光の当たる場所、風の当たる場所
  3. 熟した果物のそば、たばこの煙の当たる場所

 
1. 高温になる場所、乾燥する場所
多くの植物は高温、乾燥が苦手です(熱帯性の植物は低温が苦手)。
 人間でも苦手な人が多い環境なので、何となくわかるような気もしますが、なぜ、植物は高温になる場所や乾燥する場所に置かれると早く枯れてしまうのでしょうか。

 

 

まずは、理科の授業のおさらいです。

 

植物には「光合成」「呼吸」「蒸散」という3つのはたらきがあります。
 植物は光合成を行い、水と二酸化炭素と光から、デンプン(栄養源)と酸素を作ります。栄養を作り出すはたらきが光合成で、一方、栄養を使って生きるために必要なエネルギーを生み出すのが呼吸です。植物は、デンプン(栄養源)と酸素からエネルギーを取り出し、水と二酸化炭素を吐き出します。

 

 

では蒸散とはどんな働きでしたっけ?

 
蒸散とは植物の地上部(主に葉の裏側)から大気中に水蒸気を放出する働きです。蒸散の目的は大きく、以下の2つ。

 

  • 根から水分を吸い上げるため
  • 体温調節のため

蒸散作用により体内の水分量が少なくなると植物は根から水分と養分を吸い上げます。蒸散作用があるから何十メートルとある背の高い木の先端にまで水を運ぶことができるのです。また人間の汗と同じように、水分を蒸発させることで体温が上がりすぎるのを調節しています。

 

理科の復習はここまで。

 

 

植物のはたらきがわかったところで、花がすぐに萎れてしまう一番の原因は何だと思いますか。

 
蒸散や呼吸で出ていく水分量と導管(根(切り花の場合は茎)から水分を吸い上げる管)から吸い上げる水分量のバランスが崩れ、体内の水分量が減ってしまうこと。水が下がった状態ですね。それは、どんな条件で起こりやすいのでしょうか。

 

 

高温では蒸散過多になりやすく水分バランスが崩れます。また、植物は気温が上がるほど呼吸量が増えるので、できるだけ低温で管理するのが望ましいです(ただし熱帯性の植物は10℃以下は不適)。

 
湿度が低いほど体内の水分が奪われるので高湿度で管理するほうが良いということになりますが、湿度が高くなると蒸れやカビの発生が懸念されるため、乾燥しない程度の環境のほうが扱いやすいでしょう。

 
気温が高くなれば花器の水温も上がりバクテリアの繁殖につながります。バクテリアは植物の導管(水分を吸い上げる管)を詰まらせるので、蒸散により葉からどんどん水分が出ていくのに茎から水を吸い上げることができない状態になって萎れてしまいます。

 

 

なので、切り花を飾るときは、気温の上がらない場所乾燥しない場所を選んでくださいね。

 

 

本日は、花を飾るのに適さない場所(1. 高温になる場所、乾燥する場所)について説明しました。次回は、2. 直射日光の当たる場所、風の当たる場所、3. 熟した果物のそば、たばこの煙の当たる場所 について説明します。

 

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